koyoi ha osake to otumami ga titini hurisosogu
小学生の頃習ったピアノ曲
パパのおたんじょうび(みんなのオルガン・ピアノの本 2)
らーらららーら楽しいな
きょうはパパのたんじょうび
主旋律は基本の位置を動かせずに弾ける
単純なメロディー
本当に初歩の初歩で習った曲だ
ロウソクたててケーキをきって
みんなでたのしくうたいましょう
お稽古用の曲なので曲を弾くだけだが
譜面にはこのような歌詞が載っていた
子供時代
父の誕生日にはケーキを買い
ロウソクを立てて祝った
そしてハッピーバースデートゥーユーを歌い
拍手の後
父がロウソクを吹き消す
そしてまた拍手と共に
おめでとう
ありがとうと言いあうのだ
自分が小学校に上がってすぐ引越しをした
母は新しいご近所さんにお菓子とパン作りを習い
ケーキは母が焼くようになった
そして母から習った自分に受け継がれた
それよりずっと前
記憶がおぼろげな程幼いころの
父の誕生日
その一部を録音したカセットテープがあった
テープ表面に父が鉛筆で書いたタイトル
インドの山奥で
なぜ
父 誕生日
ではないのか
別に誕生日をインドで迎えたわけではない
自分では覚えていない父の誕生日の様子を知っているのは
後に父が録音したテープを聞いたからである
Zのテーマを歌えるのも
父が日常の一コマとして
マジンガーZの放送の一部を録音していたからだ
Zのテーマ:SCS-511 「マジンガーZ」A面 1972年
テープ表面には録音年は書かれていなかったが
この録音は自分が幼稚園の頃だったようだ
誕生日のパーティの内容からそう思われるのだ
父の誕生日に子供3人が歌を披露する
とても微笑ましい光景のようだけど
実は子供ら3人が歌いたいだけだったんじゃ
と今では思う
父にちなんだ歌や父の好きな歌ではなく
そのころ見ていた番組の曲
幼稚園で習った曲
等を披露しているから
歌い終わるたびに両親の大きな拍手
子供らはさぞかし楽しかったろう
では主役の父は?
御馳走を用意しその後一人で片づけをする母は?
中学の頃
このテープを聴いた時には
懐かしいという感情しかなかったが
今この事を思い出すと
懐かしさより
あの時父は楽しかっただろうか
という疑問だけがわく
自分が歌ったのは
幼稚園でならった好きな歌だったのだろう
きれいなさかな 作詞: 平塚武二 作曲: 渡辺茂
そして
パーティのシメに子供ら3人が歌ったのは
特撮テレビ番組のエンディングテーマだった
あいつの名前はレインボーマン 作詞: 川内康範 作曲: 北原じゅん
愛の戦士レインボーマン 1972年10月6日-1973年9月28日 NET系 金曜日19時30分-20時00分
こともあろうに
子供たちは
ハレの日に
赤い血 だの
悪魔だ死神だ だの
あいつを殺せ だのと披露したのだ
祝われる側の父として
これはどうだったのだろうか
当時のことは
もう
わからない
聞く相手には
もう
あえないから
もう今はないカセットテープの終わりには
はいじゃあみんな
2階に行ってマルコみようね
という父の声が入っている
とっても穏やかな声だった
と記憶している
母をたずねて三千里 1976年1月4日-12月26日 フジテレビ系 日曜19:30-20:00
だから
あの時の誕生日パーティー
父は楽しかったのだろう
と思いたい
自分がそう思いたいだけ
カセットテープのタイトルは
弟が歌った歌の出だし
行けレインボーマン 作詞:川内康範 作曲:北原じゅん
カセットテープに
父 誕生日
と書かなかったのは
自分で自分の誕生日と記入するのが恥ずかしかったからかもしれないが
インドの山奥で…
とうろ覚えの歌詞を不安定なメロディで歌う
幼い我が子の姿がとても嬉しかったから
だったのではないか
だったらいいのにな
と願ってしまう自分本位さがみじめで情けない
11月2日
きょうはおとうさんのおたんじょうび
自分の目の前には
祝われる人も
ロウソクも
ケーキも
歌もない
勝手な願いをする自分がパソコンの前にいるだけだ
それでも
今自分が父のことを思い出している
この瞬間
父の目の前には
上等なワインと
イベリコ豚のパテが現れていると思いたい
24年前に虹の橋に向かった愛する犬には
— にじかた ゆきゅ (@myaumatumo) 2023年1月6日
極薄砂肝スライス降って欲しい…
…と儂含め食品希望の方が多いが
人間でも花より団子タイプがいるから
例えば
3つ位しか花の名前を知らぬ父には
お酒とおつまみ降っててほしいなぁ
…と
素敵なお話をダイナシにする考えがよぎってしまった https://t.co/lbGA3yCnOh