みゃうまつもは穏やかに暮らしたい

化学物質過敏症みゃうまつもの雑記帳 言いたいことも言えないこんなおからだじゃ~

パパのおたんじょうび~インドの山奥で

koyoi ha osake to otumami ga titini hurisosogu

20231102パパのおたんじょうび



 

小学生の頃習ったピアノ曲

パパのおたんじょうび(みんなのオルガン・ピアノの本 2)

 

 

らーらららーら楽しいな

きょうはパパのたんじょうび

 

 

主旋律は基本の位置を動かせずに弾ける

単純なメロディー

本当に初歩の初歩で習った曲だ

 

 

ロウソクたててケーキをきって

みんなでたのしくうたいましょう

 

 

お稽古用の曲なので曲を弾くだけだが

譜面にはこのような歌詞が載っていた

 

 

 

子供時代

父の誕生日にはケーキを買い

ロウソクを立てて祝った

そしてハッピーバースデートゥーユーを歌い

拍手の後

父がロウソクを吹き消す

そしてまた拍手と共に

おめでとう

ありがとうと言いあうのだ

 

自分が小学校に上がってすぐ引越しをした

母は新しいご近所さんにお菓子とパン作りを習い

ケーキは母が焼くようになった

そして母から習った自分に受け継がれた

 

 

それよりずっと前

記憶がおぼろげな程幼いころの

父の誕生日

その一部を録音したカセットテープがあった

 

 

テープ表面に父が鉛筆で書いたタイトル

 

インドの山奥で

 

 

なぜ

父 誕生日

ではないのか

別に誕生日をインドで迎えたわけではない

 

 

自分では覚えていない父の誕生日の様子を知っているのは

後に父が録音したテープを聞いたからである

Zのテーマを歌えるのも

父が日常の一コマとして

マジンガーZの放送の一部を録音していたからだ

Zのテーマ:SCS-511 「マジンガーZ」A面 1972年

 

 

テープ表面には録音年は書かれていなかったが

この録音は自分が幼稚園の頃だったようだ

誕生日のパーティの内容からそう思われるのだ

 

 

父の誕生日に子供3人が歌を披露する

 

 

とても微笑ましい光景のようだけど

実は子供ら3人が歌いたいだけだったんじゃ

と今では思う

 

父にちなんだ歌や父の好きな歌ではなく

そのころ見ていた番組の曲

幼稚園で習った曲

等を披露しているから

 

 

歌い終わるたびに両親の大きな拍手

子供らはさぞかし楽しかったろう

 

では主役の父は?

御馳走を用意しその後一人で片づけをする母は?

 

 

中学の頃

このテープを聴いた時には

懐かしいという感情しかなかったが

今この事を思い出すと

懐かしさより

あの時父は楽しかっただろうか

という疑問だけがわく

 

 

 

自分が歌ったのは

幼稚園でならった好きな歌だったのだろう

きれいなさかな 作詞: 平塚武二  作曲: 渡辺茂

 

そして

 

 

パーティのシメに子供ら3人が歌ったのは

特撮テレビ番組のエンディングテーマだった

あいつの名前はレインボーマン 作詞: 川内康範  作曲: 北原じゅん

愛の戦士レインボーマン 1972年10月6日-1973年9月28日 NET系 金曜日19時30分-20時00分

 

 

こともあろうに

子供たちは

ハレの日に

 

赤い血 だの

悪魔だ死神だ だの

あいつを殺せ だのと披露したのだ

 

 

祝われる側の父として

これはどうだったのだろうか

 

 

 

当時のことは

もう

わからない

 

聞く相手には

もう

あえないから

 

 

 

もう今はないカセットテープの終わりには

 

はいじゃあみんな

2階に行ってマルコみようね

 

という父の声が入っている

とっても穏やかな声だった

と記憶している

 

母をたずねて三千里 1976年1月4日-12月26日 フジテレビ系 日曜19:30-20:00

 

 

 

だから

あの時の誕生日パーティー

父は楽しかったのだろう

と思いたい

自分がそう思いたいだけ

 

 

カセットテープのタイトルは

弟が歌った歌の出だし

行けレインボーマン 作詞:川内康範 作曲:北原じゅん

 

 

 

カセットテープに

父 誕生日

と書かなかったのは

自分で自分の誕生日と記入するのが恥ずかしかったからかもしれないが

 

インドの山奥で…

とうろ覚えの歌詞を不安定なメロディで歌う

幼い我が子の姿がとても嬉しかったから

だったのではないか

だったらいいのにな

と願ってしまう自分本位さがみじめで情けない

 

 

 

11月2日

 

きょうはおとうさんのおたんじょうび

 

自分の目の前には

祝われる人も

ロウソクも

ケーキも

歌もない

 

 

勝手な願いをする自分がパソコンの前にいるだけだ

 

 

それでも

今自分が父のことを思い出している

この瞬間

父の目の前には

上等なワインと

イベリコ豚のパテが現れていると思いたい